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posted on 6.14.2015

【第38話】新生劉備軍~玄徳の采配


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2013年7月9日、沖縄セルラースタジアムからお送りしている阪神x中日の一戦は6回表を終わって4-4の接戦となっております。

阪神はこの試合を落とすと球団ワースト連敗記録を更新する13連敗となりますが、一方中日もAクラスを守るためにも負けられない、まさにプロの意地をかけた試合です。



中日は復帰した今季初戦のエース・吉見に代えて二番手・マドリガルをマウンドに送ります。対する阪神は5番・キャッチャー・関羽。






関羽「ここまで4失点ながらも何とか試合を壊さずに来られた。リードしきれなかった久保さんのことも、4点取ってくれた味方打線のことも、一旦は忘れ、この打席に集中する!」



ここまでの二打席、関羽からは快音は聞こえていません。スタメン出場での三打席目、結果を出すことは出来るのか?






あっと、打ち上げた!しかし飛んだコースがいいぞ!






ショート井端の後ろ!先頭の関羽、ポテンヒットで出塁します!






関羽「無我夢中で走っていたのだが、本当に落ちたんですか?天はこの関羽を、このチームを見捨ててはいない!」




劉備「その通りだ、関羽よ。お前と久保さんが耐えたピンチこそがこのチャンスを呼び込んだのだ。この回でモノにするぞ!」







新井良太「オレもそういや外様だな。しかも古巣が相手だし。ここはいっちょ続くとするか!」



新井良太、ツーベースで無死2・3塁とチャンスが広がります!

そしてベンチが動く!?






代打です!なんと不振でスタメン落ちの大和をここで起用します!






大和「この得点圏打率…生え抜きとして責任を感じるぜ。だが、ここで起用してくれた殿に報いるためにも、決める!」






打った~!三遊間、抜けた~!!

大和、意地のタイムリーで阪神勝ち越しです!!!






劉備「いい笑顔だ!大和さん。それを見たかったのですよ!!さて、次は…」







続いての代打は藤井です!二人制の控えキャッチャーをここで使います。思い切った采配です。



劉備「関羽と代えるという見方もあるだろうが、これはこの試合、関羽に任せたという意思表示だ。そしてここで打点を挙げられる代打としても最適なのは藤井さんだ!」



・・・プロスピのCOM采配、こういうとこ何とかなんないのかな?KONAMIさん(小並感)




劉備「誰だ?COM采配などと言うのは。この私、劉備玄徳の采配だ!」







その藤井の打球は…一二塁間を破ります!

阪神追加点です!!



劉備「ここは出し惜しみしませんぞ。当然、準備は出来ておりましょうな?」







鳥谷「当たり前だ。ここでくすぶっていて何がキャプテンだ。この試合、ここで決めるぞ!」







打った~!!ライトオーバー!!

これが鳥谷敬の本来の打球です!






しかし鳥谷、厳しい表情を崩しません。



鳥谷「殿がこれだけお膳立てしてくれなきゃ、本来の打球も飛ばねぇとはな。まだまだだぜ。」



・・・玄徳効果でノリノリだった人はもういないようですねw



さらに西岡四球で満塁として、杉谷の犠牲フライで1点追加で8-4。

ようやくワンアウトを取れましたがマドリガル、ここでKOです。

中日三番手は小熊ですが、1・3塁からマートンにいきなりのタイムリーを浴び、阪神の勢いを止めることができません。

9-4となって、4番・張飛。






捉えた!…が、惜しくもピッチャーライナー!



張飛「フン!もう落ち込まねぇぞ。捉えてはいるんだ。オレはオレの打撃をするだけだ。」



打者一巡して関羽。






これはキレイにセンター前!

10点目が入ります!






・・・デ、デカイwww



そしてようやくこの回の攻撃が終了。この回阪神一挙6得点で10-4と大きく突き放しました。






劉備「よし、これで決まったか。いや、もう1点、トドメの1点が欲しい。」




阪神は二番手・渡辺。7回表を三者凡退に抑えますが、その裏阪神も無得点。

8回は二死から連続ヒットで1・2塁とピンチを迎えるも荒木をサードゴロ。流れは変わりません。



劉備「もう1点。このまま終わってはダメだ。相手を押し切るもう1点だ!」




8回裏、阪神の攻撃は二死走者なしとなり、4番・張飛。






張飛「自分の打撃をするまで、だッ!」







行った~!打った瞬間、確信したか~!?

主砲の一撃!ダメ押しには強烈すぎる一発です!!!






そして義兄弟の熱いハイタッチです!




関羽「見事だ!張飛。」





張飛「ああ、やったぜ。オレ達。」





劉備「うむ。しかしそれ以上にチームの主軸としての仕事を見事やってのけたぞ、二人とも。」




試合はそのまま11-4でゲームセット!

阪神タイガース、連敗脱出です!!!






劉備「結果からみれば圧勝だが、苦しい展開だった。この試合、ベンチ入りした全員の力あってこその勝利だ。ありがとう。そしておめでとう!」




張飛「あれ?一試合勝っただけで満足しちゃうわけじゃないでしょ?まだまだこれからだぜ、殿!」




劉備「うむ。分かっておる。しかし不振でスタメンを外した大和さん、鳥谷さんにもタイムリーが出て、久保さんにも勝ちが付き、そして関羽も3安打、お前もホームラン含む2打点とこんなに嬉しいことはないじゃないか。」



関羽「(この感情的な部分こそ皆の心を掴むのだろう。曹操や孫堅とは違う劉備玄徳という君主の形なのだな、きっと)」







禁忌を犯した劉備玄徳。そしてその意気に見事応えた阪神ナイン。

最下位、そして20を超える借金という状況は何一つ改善してはいないが、チームに対する手応えも感じた試合であった。


しかしまだ1試合。ローテーションが1周もしないうちに下せる判断ではない。

そう、オールスターまで8試合で借金返済。すなわち5勝3敗が最低ライン。

この禁忌の結果が吉となるためのマジックは…4。

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