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posted on 4.29.2015

【第15話】持っているもの


試合の最初からご覧になりたい方はこちらからどうぞ。


2013年5月23日、劉備玄徳デビュー戦もいよいよ終盤です。



・・・引っ張るなぁ。点を取っては取られの繰り返しで、2点ビハインドの8回表にこれまでさんざんチャンスを潰してきた関羽がようやくソロを放って1点差に迫ったってところだっけ?



ご説明ありがとうございます。千葉ロッテマリーンズx阪神タイガース、4-5と阪神1点のビハインドで迎えた8回裏、劉備玄徳志願の続投です。



その頃、仙台では楽天戦を終えた巨人が宿舎へ引き上げ、他球場の様子を観戦していた。そして劉備に注目する一団が。




夏候惇「ほう。劉備をまだ投げさせますか。流れが傾きつつあるとはいえ、すでに8回裏。ここは交代したほうが…」





曹仁「劉備ってのも大したことねぇな。もったいぶってようやくデビューした割にはこんな無様なピッチングをまださらすつもりかよ。」




曹操「(ギロッ) …開幕から出ているのに無様なバッティングを続けているのは誰かな? まぁいい。しかし劉備、デビュー戦にしてこの展開、やはり持っているな。」




夏侯淵「?どういうことでしょう? 味方が点を取ったらすぐ取られるリズムの悪いピッチングに見えますが。」





曹操「うむ。しかしKOされるほどの崩れは見せておらん。そして味方も何とか劉備を勝たせようとしている。」





夏候惇「張飛に…関羽も、ですか。」





曹操「それだけではない。好調の新井兄はもちろん、ここまで調子の上がっていない鳥谷など、チームの主力が活躍している。劉備がマウンドにいることで、チームがひとつになっているのだ。」




夏侯淵「それにしても、ベンチも我慢強いですな。劉備のピッチングはベンチや首脳陣をも巻き込んでいるということですか。」





曹操「それもあるが、何より球数が少ない。7回を投げ終えてまだ70球程度じゃろう。リズムこそ悪いが、テンポは悪くない、ということじゃ。」





曹洪「結果が出ていなくても殿がこれほど評価するとは… 曹仁の打席もこのくらい評価してもらえればいいのにね。」





曹仁「うっさい! 結果しかないから当たりの強さとか選球眼とかそういうのが分からんのじゃ!」




夏候惇「分からないのがいいことも、あるw」




さて、曹操軍のおしゃべりはここまでで、注目の8回裏です。




・・・あれ?


・・・あれれ?


・・・あれあれれ?



ブラゼルの特大2ランホームラーン!!

阪神ファンの悲鳴を掻き消すロッテファンの大歓声! この場面での3点差、試合は決まってしまったのでしょうか。






そして劉備玄徳、無念の降板です。ピッチャーは二番手渡辺。後続を抑えますが、残る阪神の攻撃は9回表のみです。




劉備「…す、すまん。俺たちの夢は、漢の復興は、また振り出しだ…」





関羽「兄貴!まだ試合は終わっていない! 俺は…俺は諦めない! さっきのホームランじゃまだ借りは返せていない!」




張飛「9番からの攻撃だろ。俺たちのところへ回ってきたら、それこそ試合を決める場面だ!」



果たしてその場面は回ってくるのか。千葉ロッテは守護神・益田の登場です。






・・・厳しいなぁ。1点ならまだしも、3点差…




しかし粘る阪神、一死から西岡のスリーベース!




そして鳥谷のタイムリーツーベース! 1点を返します!!



・・・うぉ~! けどやっぱり1点差だったらなぁ…



新井兄三振で二死。後がなくなった阪神、4番の張飛に託します。






ここからの勝負は動画でどうぞ。










なんと!なんと!! 張飛・関羽の連続タイムリーで阪神、同点に追いつきました!!!








張飛「やったぜ、小兄貴!ウヒョー!!」





関羽「これで兄貴の負けが消えたのか? 最低限の仕事は果たせたのか?」




劉備「お゛ま゛え゛ら゛~」




続くマートン決めきれず、この回同点止まり。そして9回裏もロッテ無得点で試合は延長戦に突入です。



延長戦に入っても両チームランナーは出しますが得点には至りません。そして迎えた11回表、一死走者なし。バッターは4番・張飛。




先ほどは6球目のストレートを捉えた見事なタイムリーツーベースでした。


この打席も動画でご覧いただきましょう。









・・・打った!打ったで!張飛が打った!!







張飛「どんなもんじゃい! 張飛じゃい!」






劉備「張飛~ 張飛~ ちょうひ~」




張飛のホームランで勝ち越し! その後も1点を加えて9-7。阪神、終盤の劣勢から試合をひっくり返しました!






そして11回裏は福原が三人で締め、阪神タイガース、勝利です!

ヒーローインタビューはもちろんこの人、張飛選手です!!







張飛「俺たちが三人揃って最初の試合で大きな力が出せました。調子の上がらずもがいていた関羽の兄貴、苦しみながらマウンドで投げ続けた劉備の兄貴、そんな姿を見ていたからこそ、この結果が出せたし、何よりチームが勝てたことで次につながると思います。」




スパイス監督「あーびっくりした。スパイス利きすぎだよ、もうw 『こうなることを信じて劉備を続投させました』とか言っちゃおうかな。」



試合終了後、記者たちは監督そっちのけで力投の劉備の元へ向かいます。







記者「デビュー戦は7回2/3 86球のマウンドでした。7失点で7回途中まで投げ、そして負けが付かない、これは何か持っているということでしょうか?」




劉備「ローソンソンにいた頃から『劉備は何か持っている』と言われ続けてきましたが、今日、何を持っているかを確信しました。それは義兄弟です!」



・・・wwwあーあ、言っちゃったよw フラグかな?




孫堅「ふはははは! ビッグマウスなら負けんよ?」





曹操「やはり劉備玄徳、只者ではなかったか。早いうちに叩いておきたいな。いや、共に成長して大舞台で倒してこそ、ファンの熱狂もピークに達するというもの。」




夏候惇「交流戦が終わる頃には阪神が上がってきますかな?」





孫堅「そうでなければ面白くない。ビッグマウス対決を制し、憧れの斎藤佑樹を超えるのはこの私だ!!」



・・・憧れてるんだwww



これにて2013年、プロスピ界にやってきた三国志武将12人すべてが一軍デビューを果たしました。ここからどんな戦いを繰り広げるのか注目は尽きません!!

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