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posted on 6.01.2015

【第34話】事情聴取




2013年7月6日 ●阪神 1-3 広島○

2013年7月7日 ●阪神 5-8 広島○


阪神、ついに12連敗!

球団ワースト連敗記録に並んでしまいました。


この状況についに球団トップも動きます。


坂信オーナー、南信球団社長、中負GM、そして現場からスパイス監督と劉備玄徳が参加しての諮問会議という名の事情聴取である。





坂信オーナー「何や、せっかくの沖縄での公式戦ってことやのに、こんな暗い話しに行かにゃならんのや。」




南信社長「オールスター前とはいえ、首位巨人と25.5ゲーム差の借金23。しかも球団ワーストの12連敗とあれば、何らかの手を打たねばならないですな。」




中負GM「しかしそれほど戦力は酷いものかね。打率・盗塁はリーグトップじゃないのか?」






坂信オーナー「なんや!その猫の目みたいな戦力図は?打率がトップで得点が最下位ってどういうこっちゃい!」




スパイス監督「得点圏打率が低くて…残塁が多い…ということです…」






南信社長「ヒドイなぁ~。新井さんが離脱しているからレギュラーで3割越えは張飛だけじゃないか。良太とか関羽とか、何でもっと使わないの?」




中負GM「鳥谷もヒドイねぇ。6日のマエケン戦も張飛と代打の関羽が連続ヒットで一死1・3塁から併殺だもんねぇ。聖域化する気?」




スパイス監督「鳥谷は我がタイガースの顔ですし…関羽をキャッチャーで使うには経験が…藤井もキャッチャーにしてはそこそこ打てるし…」




坂信オーナー「で、その藤井の経験で投手陣はリード出来ているのかね?」






中負GM「7月に入ったというのにチームトップが3勝とは!それに能見だ!13敗って、いったいシーズン何敗させる気なんだ?」




南信社長「本人もエースの自覚を持って一生懸命投げてはいるんだろうがね。7日は張飛の2ランで逆転したのに7回も続投させて堂林のソロで同点、さらにランナー溜めて丸の3ランで逆転って… 本人も口には出さないが代えて欲しかったんじゃないかね。」




スパイス監督「リリーフ陣にも不安があるので…1点差で3イニングはキツイかと…」




坂信オーナー「確かに8回に榎田が失点したがね。しかしそもそも榎田は勝ちパターンの投手なんじゃないのか?先発でも一番結果を残していたのに敗戦処理扱いでは本人の気も悪いんじゃないのか?」




南信社長「試合を見ているとね、勝てる気がせんのだよ。我々以上にファンはもっとそうだろう。確かに実力はあるメンバーだ。しかしすでに歯車は狂いまくっている。それをワンパターン采配で後は選手が何とかしてくれる、みたいな試合を見せられて期待するほうがおかしい。」




中負GM「劉備くん。君はどうなんだね。もちろん君も12連敗のうちの2敗を喫している訳だが。」




劉備「私はこれまで自分のことに精一杯でしたが、最初の頃の登板は不思議と援護をたくさんもらい、勝ちこそしなかった試合でもチームは前を向いていたと思います。」




坂信オーナー「君もよう点を取られとったな。しかしあの頃は取られても取り返せる気がしたもんじゃ。それが今は先制を許したらもうアカンって感じや。」




劉備「連敗中の焦りももちろんありますが、采配に関しても皆それぞれ思うところはあるようです。しかしそれを口にしてはそれこそチームは崩壊。皆各々の立場でやるべきことをやろうとしているのですが、それぞれの想いが噛み合っていない、という印象です。」




南信社長「関羽なんかは相当思い悩んでいるようだな。」




劉備「申し訳ござらん。代打に懸ける想いとコンバートに揺れる想い、何より勝利に貢献できない想いにもがいています。そしてそれを知る選手たちもまた複雑な想いで試合に臨んでいます。」




中負GM「『オレなんかがレギュラーでいいのかな』ってか。マートン以外の外野手はヒドイもんだからなぁ。」




スパイス監督「アンタが福留を放出したからだろう!」




中負GM「あん?福留かて日ハムでレギュラー獲ったみたいだが大した成績じゃないぜ。またヘンな聖域が出来るなら今いる選手に競争させればいい。代わりに獲った杉谷なんか最初ちょっと使っただけで二軍幽閉じゃないか。」




坂信オーナー「劉備よ。自分ならこうしたい、こうしたらもっとチームが生きる、こうしたらファンがもっと喜ぶ、という考えはあるか?」




劉備「はっ。私は曹操のようにチームを牛耳るつもりはありませんし、実力で認められてこそ言えることだと思っておりました。が…」




中負GM「確かに実力はまだないわな。」




劉備「あくまで采配には直接介入せずに、我等が入ることでチームが強くなることを期待していました。曹操たちと違い、私が介入するということは…」




・・・プレイヤーですからね。ゲームバランスを一気に崩せる策も取れる。




劉備「だがこの現状。そして開幕を二軍で迎え、チームのほとんどの選手を見てきたつもりです。それらを踏まえて私なりにチームを活性化させる案は…ある!」




坂信オーナー「ふーむ。でもこれを許しちゃうと弱いチームのテコ入れはまだしも意図的に戦力を調整出来ちゃうからな。かと言ってゲームバランスも既に崩れてるとも言えるし。」




南信社長「ここまで来てCOMの方針設定や思考設定などではさほど状況は変わりますまい。オーナー、ここは英断を。」




中負GM「他球団がなんて言うかね。読売や広島はもちろん、パ・リーグなんかも『なんでコイツ幽閉されてるんだ』ってのいっぱいいるだろうからな。それらを全部調整して、なんてやったら(操作が)大変だぞ。」




坂信オーナー「ま、曹操も暗に認めてたし、まずはウチがやっちゃおうか。いい方に効果が出そうなら他球団にも適用してもいいし。でもね…」




南信社長「でも?」




坂信オーナー「これってこの『プロスピ三国志』を始めるときに決めたルールなのよね。『現場介入しない』って。その禁忌を犯すことになるんだよなぁ。」




中負GM「すると『持っていかれる』ので?」




劉備「私の右腕でも左足でも持っていくがよい!」





坂信オーナー「それじゃフルメタル改造選手になっちゃうでしょ。それに今等価交換で選手を持っていかれるなりハンデを背負ったりしたら『チームが上昇する』って目標が果たせなくなるだろう。そもそも介入して勝てる保障だってないんだし。」




スパイス監督「関羽が鎧とかwww」




中負GM「コイツを退場させても等価交換にはならんし…」




劉備「しかしこの借りはどこかで返させていただきましょう。厳密に等価交換となるかは分かりませぬが、あてはありますので。」




坂信オーナー「ま、とりあえずオールスターまでに借金をひとつでも返せなかったら君たち一回二軍落ちしようか。ベストオーダーには入れといていいからさ。」




南信社長「さすがオーナー。それならば当面読売などは納得させられましょう。」




坂信オーナー「じゃ、劉備くん。我々は沖縄観光へ行ってくるから、君なりのオーダーを考えてみてくれたまえ。もちろん、我々には君は入ってないよ、スパイス監督。一応君は監督だ。プロスピ2013では監督交代がないから君は永遠に監督として試合に登場するんだ。どんなに惨めな成績でもだ。終わりがないのが終わり。それがゴールド・E・レクイエム。」


























張飛「どうだった?大兄貴。」





劉備「おれは禁忌を犯すぞ!、ジョジョーーーーッ!!」





関羽「何の話をしてきたんだか。しかし兄貴が意志に満ちた顔をしている。不退転の覚悟を決めた表情だ。」





劉備「『覚悟』とは!!暗闇の荒野に!!進むべき道を切り開くことだッ!」




曹操「フン。邉恒会長には余から話を通しておいたぞ。この件は余への貸しだと思え。」




曹仁「さすが殿!俺達に出来ないことを平然とやってのけるッ!そこにシビれる!あこがれるゥ!」




孫堅「アホは置いといて、これで名実ともにお前のチームになるわけだな。これからはピッチングだけでなく、チームの勝敗も背負うんだぜ。」




劉備「禁忌を犯してまで挑むんだ。ゼッタイにこの連敗を止め、お前たちに追いついて見せる!」




張飛「何にせよ、大兄貴が元気になって良かったぜ。」







タイガース80年の歴史にたった二度という大型連敗を喫した劉備たち。

物語の根本とも言える禁忌を犯し、チームの改革はなるのか?

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